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2023.06.30

【大子探訪】久慈川の鮎を求めて

大子町の初夏を告げる風物詩といえば、鮎。
例年なら塩焼きを食べにいくところですが、今年見つけたのが「鮎の友釣り体験教室」の情報。確かにこの時期は県内の主な河川で鮎釣り解禁となるので、久慈川でも鮎釣りの方を多く見かけますが、難しそうだし、道具は何を揃えればいいのか分からないし、釣り初心者には縁がない…と思っていました。
でも鮎釣りは、初夏から初秋にしか体験できないアクティビティ。参加要項を見ると、初心者でも楽しめそうだし…。せっかくのチャンスを逃す手はない!とさっそく体験教室の参加者募集を行なっている「アウトドアベース大子」のWebサイト(https://outdoor-base-daigo.com/)から「鮎釣り+塩焼き体験プラン」に申し込んでみました。

当日は、事前にお知らせいただいていた必須装備の長袖、短パン、着替えなどを用意して、「久慈川の鮎」ののぼりに心踊らせながら、集合場所の湯の里公園へ。

今日、インストラクターを務めてくれる中野さんは、大子町の鮎釣り紹介動画にも出演している鮎釣りのベテラン。
釣り初心者で、運動神経が悪いのですが、と不安を口にすると、参加者の能力や経験、もちろん天候や水量に合わせて教えるので安心してください、と心強いお言葉をいただいて、ひと安心です。

まずは座学で鮎の生態や、そもそも友釣りとはどんな方法なのかを学びます。
鮎は河口で生まれて海で育ち、2〜6月に遡上し、秋には川を下って産卵すると短い一生を終える年魚。久慈川にはダムがないので、このサイクルを崩すことなく天然遡上の鮎が生息しているとのこと。
「関東近県で天然遡上鮎が釣れるのは珍しく、久慈川の鮎は約80kmを遡上してきた強者なんです。だから、筋肉質で身も締まっていて美味しいですよ」と中野さん。

今日挑戦するのは、縄張り意識の高い鮎の習性を活かした「友釣り」。
おとりとなる鮎を上手に泳がせ、縄張りに入ったおとり鮎に怒った野鮎を掛け針にかける…というもので、鮎釣りの中ではポピュラーな方法です。

▲中野さんの座学は資料を使いながら、わかりやすく進みます

座学の後は、いよいよ釣りの準備。
竿や針はもちろん防水製の胴長靴・ウェーダーや、釣った鮎を入れておく引き舟など一式を用意していただけるので、さっそく装備の方法を教えてもらいながら装着していきます。

▲このほか、釣りのために必要な日釣券やおとり鮎も準備してもらえるので初心者にはありがたいプラン

▲鮎竿は軽い素材で、リールもウキもないものの、実際に持つとその長さのせいで先端がぶれて、扱いがなかなか難しい

装備を固めたら、いざ川へ。この日は水量などから判断して、久慈川の支流・押川でチャレンジすることに。

▲おとり鮎は、川で泳いだことのない養殖魚。うまく川で泳がせることが友釣りの重要なポイント

釣り場選びのコツは、まずトライしてみること。釣れなければ少しずつポイントを移動して、釣れる位置を探っていきます。
膝下あたりまで川に入って、少しひんやりした水温を感じながら、足場を確保。「滑るから大きい石には登らないようにね」とアドバイスをいただき、水中に足場を確保したら、中野さんにおとり鮎を川の中程まで送り出していただき、さっそく鮎釣り開始。

長い竿をあげたり、寝かせたりして様子を見ながら、竿を川の流れに逆らうようにゆっくりと動かしていきます。釣糸の先の方についた毛糸の目印をぶらさないようにと気を取られると、竿を支える腕に負荷がかかったり、竿を支えるのに夢中になってしまうと、流れに適した角度が疎かになってしまったり、最初は四苦八苦。

「犬の散歩をするイメージで鮎を動かしてあげるといいよ。水の中の鮎の動きとか、川の流れ…見えない部分を想像して、今おとり鮎がどんな状況か想像するのがコツだよ」
という中野さんのアドバイスをお聞きして、なんとなくおとり鮎を流れに乗せるイメージが掴めてきたような。
竿の振動でおとり鮎の動きを感じ取りながら、糸を緩めたりテンションをかけたり、竿の高さを上げ下げしていると、流れに逆らっているはずなのに、スッと竿が軽くなるような瞬間が出てきて、それを探るのが楽しくなってきた頃…
竿先に今までと違う手応えが!

中野さんに促されてゆっくりと竿を立てて寄せてみると…

初ヒット!
開始15分ほどで当たったのに加え、「泳がせるのがうまいよ」と中野さんからお褒めの言葉をいただき、すっかり有頂天。

この日はその後も好調で2時間半ほどで、大きさのばらつきはあったものの6匹を釣り上げる見事なビギナーズラックを発揮。
鮎釣りの釣果は、その日の水温や清濁など環境要因も大きいとのことですが、思っていた以上の結果に大満足。

▲天然の鮎は遡上のための大きなヒレと、川底の石についた藻を食べる大きな口が特徴

もちろん、釣れない時間帯もあったものの静かに川面に釣糸を垂らして、竿を動かすのに集中しているとつい時間を忘れてしまうほど。
ザァーと流れる水の音と、鳥のさえずり、時折鮎が跳ねる音、川面を撫でる風、足元の水の冷たさ−。自然を五感で感じる感覚に、リラックスできている自分に気付きます。

▲川に入っていると、まるで大子町の自然の中に溶け込んでいるような気分に

五感が満たされたら、次は食欲を満たす鮎の塩焼き体験。
串打ちした鮎が炭火で焼けていくと、辺りに漂う香ばしい匂いに期待値は上がるばかり。

熱々の串を持ってひと口頬張ると生臭さはなく、爽やかな香りとしっかりした身が口いっぱいに広がります。
新鮮な鮎は、塩焼きはもちろん刺身や鮎を輪切りにして酢味噌につける背ごし、南蛮漬けや天ぷらもおいしいそうです。今日の釣果をどうやって食べようか考えるのも、帰り道の楽しみ。

道具をお返しして、今日の釣果を手に中野さんにお礼を伝えると「水温や水量で釣果も鮎のサイズも変わるから、またチャレンジしにおいで」と声をかけていただいてすっかりその気に。
次の鮎釣りはいつにしようかな。

 

■鮎釣りなど大子でのアウトドア体験を楽しめるプランが揃う「アウトドアベース大子」

https://outdoor-base-daigo.com/

 

■大子町の鮎釣りの魅力が詰まった動画「久慈川の鮎 茨城県大子町 令和版」

https://www.youtube.com/watch?v=bvRet-EymlU&t=28s

 

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